2017-05-01 薄濁りの視界から 朝目が覚めたとき、 幾らかの泪が頬を濡らしていた。 枕も湿り気を帯びている。 毎日のように貴方は夢で私に会いにくる。 わざわざ夢で会わなくても 本当に会いにきてくれたらいいのに。 私はリビングに置いてある貴方のホルマリン漬けに小言を言う。 日に日にしおれていく貴方は 私からは離れられない。 夢でしか笑うこともできない。 朝食の目玉焼きを焼きながら、 私の籠の中の貴方を見つめている。 いつか私もそこにいきたい。 少し硬めの目玉焼きを頬張りながら、 昔の男の籠を奥に追いやった。